ベアリング規格

ベアリング規格





ISO規格とJIS規格

ご存知のように、わが国には、国家規格としてJIS(日本工業規格)あります。 各国の国家規格が貿易の障害になることを防ぐため、1995年にWTO(世界貿易機関)のTBT協定(貿易の技術的障害に関する協定)が発効して以来、JIS規格をISO規格に可能な限り整合させることが国家戦略となっています。 ページ下の表にはISO規格を番号順に並べています。 表の右列には対応するJIS規格の番号を記しています。  ISO規格の番号は、基本的に初版が発行された順に付与されているため、番号と規格の 内容とは関係ありません。 一方、JIS規格では規格番号が体系化されており、記号“B”は“一般機械”部門を表しています。 続く2桁の数字が分類番号で”10“から”29”までの“機械部品類”の中で、”15”,転がりベアリングに割り当てられています。 表には、1500番台以外のJIS規格もありますが(JIS B 0104や、JIS B 0124),これからは転がりベアリング全体にかかわる一般的な規格として、”機械基本“の分類に収められているものです。 また、一つのISO規格に対して一つのJIS規格が作られているわけではないこともわかります。 JIS B 1512は、 ISOでは種類(品種)ごとに分かれている主要寸法の規格(ISO 15, 104, 355, 8443, 12043, 12044)を”転がりベアリングの主要寸法”として、ひとまとめにしたものです。



ベアリングのISO規格

“intemational standard”と書くと、『国際的な基準』、『世界基準』などの抽象的な意味になりますが、固有名詞である“intemational standard”は、ISOから発行された国際規格(略称IS)を表します。 ISO/TC 4によって作成された規格は68件(2010年時点にて。IS,技術仕様書TSおよび技術報告書TRも含む)あり、代表的なものを表に示しています。用語や記号が標準化されていることによって、ベアリング各社のカタログを容易に比較することができます。 主要寸法が標準化されているので、壊れたベアリングを別のメーカーで作られた同じ呼び番号のベアリングに交換することが可能です。ISO 76の静定格荷重は、騒音の原因となる転動体や軌道の変形を避ける目安となります。 また、ISO281によって寿命を計算(予測)することが可能です。 他の機械要素ではほとんど見られない寿命計算を定めたISO 281は、ベアリングの工学的な進歩の象徴と言えるでしょう。



ISOへの参画

ISOの活動に参加できるのは、1国につき1機関に限られており、日本は経済産業省の審議会の一つである日本工業標準調査会(JISC)がメンバーです。 ISOのメンバーは、 希望する個々の専門委員会(TC)や分科委員会(SC)のメンバーになることができます。 メンバーには、業務に積極的に参加するPメンバーと、オブザーバーとして参加するO メンバーがあります。日本は現在、約670のTCあるいはSCにメンバー登録しています。 日本がISO/TC 4(転がりベアリング)のPメンバーなったのは1961年で、それ以降、転がりベアリングに関するISO規格の作成、改正に積極的に参加しています。その甲斐あって、ISO/TC 4 では、日本は欧州連合や米国と並ぶ重要な地位を占めるようになりました。



ベアリングに関するISO規格(抜粋)
規格番号 規格名称 対応JIS
ISO 15 ラジアルベアリングの主要寸法 JIS B 1512
ISO 76 静定格荷重 JIS B 1519
ISO 104 スラストベアリングの主要寸法 JIS B 1512
ISO 199 スラストベアリングの寸法公差 JIS B 1514-2
ISO 281 動定格荷重と定格寿命 JIS B 1518
ISO 355 円すいころベアリングの寸法公差 JIS B 1512
ISO 492 ラジアルベアリングの寸法公差 JIS B 1514-1
ISO 582 面取寸法の最大値 JIS B 1514-3
ISO 1132 寸法公差 JIS B 1515
ISO 1206 寸法系列48、49および69の針状ころベアリングの主要寸法と公差 JIS B 1536-1
ISO 2982 附属品 JIS B 1552,1554
ISO 3030 ラジアル保持器付き針状ころの主要寸法と公差 JIS B 1536-3
ISO 3031 スラスト保持器付き針状ころおよびスラストワッシャの主要寸法と公差 JIS B 1536-4
ISO 3096 針状ころの寸法と公差 JIS B 1506
ISO 3245 内輪なしシェル形針状ころベアリングの主要寸法と公差 JIS B 1536-2
ISO 3290 JIS B 1501,1563
ISO 5593 用語 JIS B 0104
ISO 5753 スラストベアリングのラジアル内部すきま JIS B 1520
ISO 7063 トラックローラ針状ころベアリングの主要寸法と公差 JIS B 1536-5
ISO 8443 フランジ付きラジアル玉ベアリングのフランジ寸法 JIS B 1512
ISO 9628 インサートベアリングと偏心固定輪の主要寸法と公差 JIS B 1558
ISO 15241 量記号 JIS B 0124
ISO 15242 振動の測定方法 -
ISO 15243 損傷と故障の用語、特徴および原因 JIS B 1562
ISO 15312 熱定格回転速度の計算方法 -